REM睡眠とnon-REM睡眠
REM睡眠とnon-REM睡眠って言葉、聞いたことがある方もいるかと思いますが、ぶっちゃけよく分からないって方の方が多いのではないでしょうか?正直に言うと僕が初めて聞いた時も理解できませんでした。
今回は、REM睡眠とnon-REM睡眠を分かりやすく説明していきます。
・ 夜間睡眠の時の脳波
・REM睡眠とは
・non-REM睡眠とは
・まとめ
◆ 夜間睡眠の時の脳波
夜眠っている時の人の脳波どのようになっているのか、脳波計をつけて調べてみると、以下のようになっています。
通常、眠りに入ると『non-REM睡眠』と呼ばれる睡眠に入ります。このnon-REM睡眠は60分前後続き、REM睡眠と呼ばれている浅い睡眠に入ります。このnon-REM睡眠とREM睡眠はセットで、1つの睡眠サイクルとなっていて、1サイクルおよそ90〜120分と言われていています。これを1回の睡眠で4〜6回程度繰り返されます。
最初のnon-REM睡眠にはステージ3が多く含まれていますが、2回目以降は、それらの割合が少なくなっていきます。これらのことから、最初のnon-REM睡眠を十分に確保することが、夜の睡眠の質を上げるための絶対条件と言えるでしょう。
よく90分の倍数時間で起きると目覚めやすいと言いますが、この1サイクルが90分という情報が元になって広まった話でしょう。実際は、90〜120分と個人によっての周期は異なるため、90分の倍数時間で起きやすいというには少し、ムラがありますね。
◆ REM睡眠
ROM睡眠のREMはRapid Eye Movementの略で、眼球が睡眠中に小刻みに動く現象です。このREM睡眠中の大脳は、覚醒状態に近い状態にあります。なかには、覚醒状態よりも活発に活動している領域もあるようです。
この活動が活発になる領域と言うのが、『扁桃体』と『視覚連合野』です。『扁桃体』は感情を司る領域で、『視覚連合野』は視覚イメージを統合する領域です。REM睡眠中に脳の活動は活発になる一方で、骨格筋は弛緩状態にあります。このため『身体の睡眠』とも呼ばれています。
皆さんも寝ている間に見た夢を覚えているという経験があると思いますが、その夢はREM睡眠時に見ている夢と言われています。夢の中で喜怒哀楽を感じたり、「空を飛ぶ夢」などの抽象的な夢はその例としてよく挙げられます。
自律神経の活動もREM睡眠中には活発になり、心拍数や呼吸数、脈拍なども不規則になります。
新生児の睡眠はREM睡眠が9割と言うことがわかっています。しかし、脳の発達の家庭でREM睡眠が減少していき、13歳くらいで大人と同程度にnon-REM睡眠が増えると言われています。
このことから、『REM睡眠は脳の発達に関係している』と仮説が立てられ、研究が進められているようです。
◆ non-REM睡眠
non-REM睡眠時、脳の活動は不活発となり、自律神経の活動も安定しています。一方で骨格筋の緊張は保たれていることから、『脳の睡眠』とも言われています。睡眠のステージはステージ1〜3に分けられ、ステージ3が一番深い眠りです。non-REM睡眠は第1サイクルで最も長く、明け方にかけてnon-REM睡眠の占める割合は減っていきます。
睡眠の役割の一つである「ホルモンバランスの調整』も強く関係しています。一般的に『成長ホルモン』といわれているグロースホルモンは第1サイクルでもっとも多く分泌され、成長発達や筋肉や骨の強化、代謝の正常化に貢献しています。生殖や母性行動に関与するプロラクチンも最初のnon-REM睡眠で多く分泌されます。
お肌の保水量は、睡眠に強く影響を受けていると言われています。それは、上記で説明した『性ホルモン』や『成長ホルモン』が皮膚の保水量に関与しているからです。お肌の保湿をするためには、質の良い睡眠を十分に確保することが大切だというのも納得できますね。
◆ まとめ
今回は、REM睡眠とnon-REM睡眠について解説していました。
私たちが毎日している睡眠は、REM睡眠とnon-REM睡眠を朝まで繰り返し、脳と身体を休息させています。また、それだけでなく、自律神経系や記憶などの領域においては、活動は続いていて、次の日の準備をしているとも捉えることができますね。
『深い眠り(おそらくnon-REM睡眠のこと)をしっかりとれば、睡眠時間は短くても大丈夫』という恐ろしい情報を耳にすることがありますが、REM睡眠とnon-REM睡眠にはそれぞれ役割があるということを知ると、誤った情報に惑わされずに済みますね。